〈北山〉研究会

山地と流域の社会-空間 2013-


概要

京都北部にひろがる山々、山地は「北山」と通称される。
それは都に対し「北」という方位によって相対的に位置づけられた山地である。
その「北」山は、公家などの隠棲の場であったほか、天皇の墓所、有力神社の社領、都の造営やその維持に関わる木材資源の供給地、また日本海側からの物資の移入路であるなど、都市京都と歴史的に多様な関係を結んできた山地である点に大きな特徴がある。

北山をこのように捉えるとき、そもそも北「山」の地形や水系などのありさまと人文的諸相とは、いったいどのような関係のもとに山中の社会-空間をつくりあげ、また、それらが都市京都といかなる関係を有してきたのか。
本研究では、以上の関心に「地-質からみる都市と集落」というテーマを連動させ、地形・地質・土壌・植生・水系など、北山を貫きあるいは分節するような自然および人為的自然環境の把握によって、北山の「社会-空間」に迫りたい。
この作業を通じて、従来蓄積が進んできた集落の調査研究を、その物質的基底でもある「地」の文脈とともに捉え返していく試みを行う。
そのために本研究では、建築分野だけでなく森林や土壌・地質など諸分野と連携した調査研究を進める。

(本プロジェクトは、2013年度京都府立大学法人地域研究助成採択課題「地-質からみる集落と都市:京都府・京都市北部地域を中心に」を含む)

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